キスしたいと思ったら、まず相手も今したいかを言葉で尋ねます。「まだ迷う」「今日はしない」という返事なら、そこで誘いを終えられます。初めてで緊張していても、過去の経験を説明したり、上手さを証明したりする必要はありません。キスの後も、感想と次にしたいことは別々に伝えられます。
ここでは成人のふたりを想定し、誘う前・緊張するとき・終わった後の会話を考えます。会話やメモは編集部が作成した例です。自分の言葉に変え、必要な場面だけ使ってください。
キスしたいか、今の希望を聞く
顔を近づけて反応を試す前に、「キスしたい」という内容を伝えて尋ねると、相手は何について答えるのかが分かります。「大丈夫?」だけで通じにくければ、「今、キスしたい?」と具体的にできます。
誘う言葉と、迷う返事の受け止め方
誘う人:「キスしたい気持ちがある。今はどう?」
相手:「まだ迷っている」
誘う人:「分かった。今日は決めずにおこう」
ここで返事を待ちながら近づいたり、何度も聞き直したりせず、誘いを取り下げます。相手が黙ったときも、了承したと解釈して始めません。同意とは、何をするかについて、その都度、自由に選んだ意思です。断ることで責められる状況では、自由に選べません。
キスをしたいという返事は、それ以外の行為への返事ではありません。途中で離れたくなったら止められます。こうした原則は、内閣府男女共同参画局「性犯罪・性暴力とは」と、RAINNの同意に関する解説でも確認できます。
初めてで緊張するとき、経験を説明しなくても選べる
成人であることと、キスに慣れていることは別です。「この年齢ならできるはず」と急ぐ必要はありません。緊張して今の希望が分からないときは、次のように、今変えたいことだけを伝えられます。
- 周りが気になる:「もう少し落ち着ける場所で、まず話したい」
- 決めること自体が負担:「今日はキスをしないで過ごしたい」
- 経験を聞かれたくない:「過去の話は今はしたくない。今日は話すだけがいい」
経験の話をするかも自分で選ぶ
「初めてだから緊張している」と話したいなら伝えてよく、話したくなければ「今は緊張している」だけでも構いません。聞く側は経験の有無を当てたり、詳しい説明を求めたりせず、「今日は話すだけにしよう」と今の希望を受け取れます。場所を変えたとしても、その後にキスをする約束にはなりません。
キスの後は、感想と次の希望を分ける
すぐに「どうだった?」と評価を求められると、まだ言葉にできないこともあります。聞くなら「今、感想を話したい? 後でもいいよ」と、話すこと自体を選べる形にします。喜ぶ表情や、よかった点の報告を要求しないことも大切です。
言葉を整理したいときは、次の二つを別に考えてみてください。
- 今の感想:「まだ、どう感じたか言葉にならない」
- 次の希望:「次も、先に聞いてほしい」
感想を話せなくても、次の希望だけは伝えられます。「今日は話したくない」という返事なら、聞く側は「分かった」で終えられます。NHSの関係性についての案内は、相手の話を聞くことや、自分の時間・境界を持つことを勧めています。上の会話例は、その効果を検証した手順ではありません。
口元の症状が気になる日は、キスを見送る
口唇ヘルペスは、唇の周りなどに小さな水ぶくれが出ることがある、ウイルスによる感染症です。NHS「Cold sores」では、前触れから完全に治るまでキスを避けるよう案内しています。一方、WHOの単純ヘルペスに関する資料では、症状が見えないときにも感染が起こり得ると説明されています。見た目だけで感染の有無は判断できません。
症状や診断が気になるときは医療者に相談できます。ただし、キスが苦手な理由を病気と決めつけるものではありません。断るときに診断名や事情をすべて相手へ説明する必要もありません。
口元の乾燥について日常の準備を知りたいときは、デート前の唇ケアとリップの選び方へ。苦手な接触の伝え方は、触れ合いが苦手なときの会話例で整理できます。性的な行為を含む確認や中断の原則は、性的な同意を確認するには?迷ったとき・断るときの会話例を参照してください。