アセクシュアルは性的に惹かれることがない、または少ないあり方、アロマンティックは恋愛的に惹かれることがない、または少ないあり方を表す言葉です。二つは別の軸で、性欲、経験、交際の有無だけでは決められません。言葉を使うかどうかも本人が選べます。
性的な惹かれと、恋愛的な惹かれの違い
「性的に惹かれる」は、誰かを性的な関心の対象として感じること。「恋愛的に惹かれる」は、誰かに恋愛感情を抱くことです。二つを分けると、自分の感覚を説明しやすい場合があります。
- アセクシュアル
- 性的に惹かれることがない、または少ないあり方を表します。性欲の有無や、性的な活動をするかどうかだけで決める言葉ではありません。
- アロマンティック
- 恋愛的に惹かれることがない、または少ないあり方を表します。親密な関係を望むか、パートナーを持つかまで一律に決める言葉ではありません。
同じ人が両方の言葉を使うことも、一方だけを使うこともあります。惹かれの感じ方には幅があり、日本語での言葉の使い方にも違いがあります。ここでは当事者・教育団体のAVENとAUREAの解説を参考に、性的な惹かれと恋愛的な惹かれを分けています。
性欲・経験・相手の有無は、判定テストにならない
性欲は性的な活動への関心や動機で、特定の相手に性的に惹かれることと同じではありません。セルフプレジャーをする、性的な空想がある、恋愛作品に関心があるといったことだけで、アセクシュアルやアロマンティックではないと決めることはできません。
交際経験がないからそうだと認定することも、過去に交際や性的な活動の経験があるから違うと否定することもできません。作品への関心、経験、惹かれ、望む関係は別々に考えられます。
一方、以前と比べて関心が変わり、本人が体調や服薬との関係を心配しているなら、その変化を相談できます。関心の低下とアイデンティティの言葉を、この記事だけで結びつけて判定しないでください。
性的な活動や恋愛を目標にしない生活も選べる
性的な活動や恋愛を、暮らしの目標にする必要はありません。友情を大切にする、一人の時間を選ぶ、特定の人と生活を共にする、今は関係の形を決めないなど、望む暮らしは人によって異なります。
以下は希望を伝えるために作った例です。「一緒に過ごす関係は望むけれど、性的なことは望んでいない」「今は恋愛関係を求めていない」「どんな距離がよいか、まだ考えている」。自分の名前が決まっていなくても、今の希望は伝えられます。
誰かと関係を持つ場合には、自分と相手それぞれの境界や同意を大切にします。気持ちを証明するために性的な活動をする必要はなく、相手にも同じ希望を持つよう求めることはできません。
名前を使うか、どこまで話すかは自分で選ぶ
言葉が役立つなら使い、しっくりこなければ保留して構いません。「この言葉が今の自分に近い」「名前はまだ付けていないけれど、望まないことは伝えたい」という言い方もできます。経験をして確かめる課題を自分に課す必要はありません。
誰に伝えるか、どこまで説明するかも選べます。相談する場合は、アイデンティティを変えることを目標にするのではなく、「周囲からの期待がつらい」「自分の気持ちを整理したい」など、手伝ってほしいことを伝えられます。心配な変化や苦痛があるときは、その困りごとから相談してください。